• 緩和照射について

がん治療

緩和照射について

緩和照射では、がんが増えて大きくなることを防ぐことで症状を和らげます。 一部のがんは緊急性があり、一刻も早く放射線をあてる必要があります。

具体的な効果

麻痺の予防

背骨近くでがんが大きくなると、神経が圧迫されて足に痺れがでます。そのまま放置しておくと、足が麻痺して歩けなくなってしまいます。麻痺が発症する前に放射線をあてることで、予防できる可能性があります。
がんによる痺れがでたら、早急に放射線をあてないと間に合わなくなるので、急ぐ必要があります。

上大静脈症候群

胸にある上大静脈と呼ばれる血管が、がんによって圧迫されることがあります。上大静脈が圧迫されると、顔にむくみが出たり、飲み込みが悪くなります。放置しておくと脳に障害がでてしまいます。
一刻も早く、放射線をあてる必要があります。

気道の閉塞

肺につながる気道ががんによって塞がれると、肺に空気が流れなくなってしまいます。肺が機能しなくなるので、進行すると呼吸ができなくなります。急いで放射線をあてる必要があります。

ほかにもできること

上記以外のものも、病気は早めの対処がなにより大事です。
気になる場合はかかりつけ医で相談することをお勧めいたします。

痛み

骨にできたがんは、骨を破壊し栄養を取り込むことで大きくなろうとします。骨破壊が起きると慢性的な痛みがあります。放射線治療は、この痛みを和らげることができます。

骨折の予防

骨にできたがんが大きくなると、骨が脆くなり折れやすくなってしまいます。放射線をあてることで、一度脆くなってしまった骨を再生できるようにし、骨折を予防します。

全脳照射

がんは、脳に転移することがあります。脳への転移が複数になると、ピンポイントでの治療が困難になります。脳全体に放射線をあてることで、症状の進行を食い止めます。

止血

消化管などにできたがんは、血流が豊富で出血しやすいことがあります。慢性的な出血で貧血になったり、便に血が混じったりすることがあります。放射線をあてることで止血できる場合があります。

梗塞の解除

がんは大きくなることで、周りのものを圧迫し梗塞を引き起こします。緊急性のあるものとして、上で紹介した上大静脈症候群や気道の閉塞以外で、尿路や神経を圧迫している場合にも、放射線治療が有効な場合があります。