• 無痛MRI乳がん検診:ドゥイブス・サーチ

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無痛MRI乳がん検診:ドゥイブス・サーチ

無痛MRI乳がん検診とは?

名前の通り、『MRI』を使った『痛みが全くない』乳がん検査です。MRI(Magnetic Resonance Imaging)検査は、がんの有無や広がりなど、電磁波により撮影を行う精密検査です。MRI検査は筒状の機械に入り検査を行う為、痛みはありません。MRI検査では、造影剤を注射するケースもありますが、無痛MRI乳がん検診(ドゥイブスサーチ)では、造影剤の注射は行いません。身体に痛みも負担も一切ない最新の検査方法(ドゥイブス法)によって乳がん検査を行います。

当院では、2024年3月から無痛MRI乳がん検診をスタートしました。痛みや被ばくを伴わず、かつ感度の高いこの検診がより広く普及することで、乳がんの早期発見に寄与できればと考えています。

DWIBS法(ドゥイブス法)とは

2004年に、日本人医師の高原太郎(東海大学、医学博士、放射線科専門医)により英文発表された、MRIによる検査方法です。寝ているだけで全身の癌の有無や分布を診断できる撮影法です。2004年5月3日の毎日新聞全国版一面掲載となり、大きなニュースになりました。ドゥイブス法が考案される前は、PET検査(FDG-PET検査)しか、全身癌スクリーニングをする方法がなかったからです。

ドゥイブス法の考案により、受診者さんは、PETかDWIBSかを選択できるようになりました。2020年に、国(厚生労働省)による、診療報酬加算の対象になりました(全身MRIによる前立腺癌骨転移診断)。これは、国により正式に技術が認められたという意味があります。ただし、画質は病院によりまちまちであるため、学会での認定や、研究会での研鑽が行われています。最近では、DWIBS法を利用した、無痛MRI乳がん検診(愛称:ドゥイブス・サーチ)も行われています。

DWIBS法の特長(利点)

ドゥイブス法は、放射線被曝ばくがなく、また検査のための準備が不要という特長があります。このため、病院に行ったときに、着替えたらすぐに検査に入れます。

PET検査は、自分の体に放射性同位元素を注射し、かつこれが尿から排泄されるので、検査後の排尿などに注意が必要です。つまり、飛び散らせたり衣服についたりすると、そこに放射能がついてしまうので、他の人が使えないことになりますし、あるいは、お孫さんなど子供に近づくこともできません(検査後数時間はこういった制限がでます)。PET検査の被曝は、全身平均で3mSv(ミリシーベルト)程度であり、ごく軽度の被曝です。ただし、膀胱から放射性同位元素が排泄されますので、全身平均では3mSvですが、膀胱においては30〜40mSvの被曝をします。乳腺などにも平均の2倍程度被曝します。ドゥイブス法は、検査終了したら終わりで、なにも注意事項はありません。つまり病院に滞在しなくてはならない時間が圧倒的に短いです(だいたい1時間半ぐらいもあれば、検査(30分程度)は終了し、あとはお会計をするだけです。

PET検査では、事前安静(2時間程度)も含め、最低でも半日はかかります。造影剤を投与しないので、アレルギーがある人でも受けられます。また、造影剤漏れなどの心配もありませんから、癌の患者さんで血管が細くなったときにもラクに受けられます。PETは、糖代謝を利用しますので、糖代謝に大きな以上のある人(ひどい糖尿病の人)程度は検査の正確性がすこし落ちます。DWIBS法はとくに関係ありません。

DWIBS法の欠点

DWIBS法は、MRIを用いた検査です。DWIBS法自体の制限事項はほぼありませんが、MRIには制限事項があります。

MRIは、強い磁場を使うので、心臓ペースメーカーなどの医療デバイスが体内に挿入されている方は受けることができません。また古い脳動脈瘤クリップの入っている方は受けることができない場合があります。詳しくは、下記の「MRI検査を受けられる方へ」をお読みください。

そのほか、入れ墨(タトゥ)は色素成分に金属を含む場合があり、発熱のおそれがあります。ただし、この発熱によるやけどの可能性は極めて低く、通常は検査を取りやめるほどのものではありません。 またMRI検査は筒状の機械のため、閉所恐怖症の方は受けられないことがあります。

MRIは、その特性上、撮影時に大きな音がします。慣れればそれほど問題ではありませんが、はじめて場合は不快に思われる方もいらっしゃいます。

MRI乳がん検診をもっと知りたい方

MRI乳がん検診の詳細についてはこちらをご覧下さい。